GIGAMIX DM-SYSTEM2
DMシステム2に託す野望(笑)
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updated: Sep 25, 1997
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● 「DMシステム2」製作のきっかけ

 "システム2"と名乗っているからにはやっぱり"1"相当のモノがあるわけでして、ギガミックスは91年にDMシステムver.1を製作しました。これは当時"THE LINKS"(MSX専用ビジュアル通信ネット)で人気だった「ディスクメール事務局」なるBBSの常連ネットワーカー(パワーユーザーも多かった)が、ディスクマガジンを製作する為に必要だと思われていた機能(=ルーチン)をまとめて拡張BASICにしたのが始まりです。

 リンクスはモデムカートリッジをスロットに接続するだけ、フロッピードライブや漢字ROM、RS-232Cが要らないと言う、ある意味理想的で特殊なネットワークだった為、当時のネットワーク界では大いに異端児扱いされて、一般のパソコン通信との交流はほとんどありませんでした。結果、閉鎖的なリンクスの体質が転じ、独自の文化を築き上げることになりました。ソフト製作系のサークルが乱立し、こぞってBBS上でソフトの技術向上に励んだものでした(その癖スタッフ間のデータ交換はフロッピーの郵送やend to endでやっていたという恥ずかしい状況)。我がギガミックスも「ディスクメール」と言うディスクマガジンを発表し、後に「ディスクマガジン乱立時代」と言われる時代の波に飲まれて行きました(笑)。

 リンクス時代からMSXでの漢字表示には頭を悩ませていました。定価格のFS-A1やHB-F1の普及により「漢字ROMが無くてもリンクスはできる」という困った現実があったからです。当然、漢字ROMが無いユーザーの為にあえてANKしか使わなかったり、VRAMに漢字フォントを搭載して擬似的に漢字表示を行ったり…と苦肉の策の連続でした。

 94年10月のリンクス閉鎖に伴い、リンクス会員は一般の通信であるスーパーリンクス(superLinks)へ移行することになりました。しかし今まで問題視されなかった「著しく乏しいハードウェア構成」がここにきて浮き彫りになり、結果ほとんどのリンクス会員はsuperLinksへ移行することができませんでした。

※ そのSuperLinksも97年9月をもって閉局が決定しました。
 リンクス会員でも漢字ROM(とRS-232C)が必要になったとき、私はここで「漢字ROM必須」にするチャンスだと思いました。また、ANKばかりのマガジン構成からいい加減脱却したい欲求と願望も強かったので、あえてANK環境のMSXユーザーを斬り捨て、漢字表示の強化を前提とした新システムの製作に乗り出した、というわけです。

 そういうわけで、DMシステム2の一番のウリは、ズバリ「漢字表示」です。

 プログラマのいんふるえんざさんに頑張ってもらい(笑)、おかげで漢字表示については文句の付け所が無い完璧な仕様に仕上がりました。ドット単位での拡大・縮小、太文字・影・縁取り等の各種装飾、screen 2〜12対応という鬼の表示能力、外部ドライバとのリンク…もはやHALNOTEやMSXViewの処理能力を越えています。これでつまらないソフトを作ったら切り捨てたANKなMSXユーザーに面目が立ちません。

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● MSX系クリエイターの皆さんへ

 前項で書いた通り、漢字表示には気合が入っています。ここで注目していただきたいことは、外部ドライバとのリンクについてです。

 16×16ドットのMSX用漢字ROMは無いけども「漢字フォント」として代用できそうな市販のハードウェアと、それに対応したフォントドライバをユーザー側が用意することで、DMシステム2では漢字ROMのある機種とほとんど同じように漢字表示が可能です。

 例えば、漢字ROMが搭載されていないMSX2でも、通信モデム「FS-CM1」とCM1対応のフォントドライバをユーザー側で用意できれば、FS-CM1内蔵の12×12ドット漢字を利用して漢字表示が行えます。本来のサイズとは違うサイズで表示しようとする場面においてもシステム側で自動的に加工処理を行い、通常とほとんど同じように漢字が表示できます。(違っているのは表示される文字のデザインくらいなもので、ドライバによって表示位置が変わったりすることはありません)

 クリエイターのあなたが漢字ROMを搭載したMSX2+やturboRユーザーとします。漢字ROMを搭載しているハードですから、恐らく日本のほとんどのMSXはあなたとほぼ同じハードウェア環境です。しかし、漢字ROMの搭載されていないMSX2ユーザーがたまたまFS-CM1や「かんたん手帳リフィルくん(笑)」のようなフォントカートリッジは持っていた、或は海外の128KBのRAMを積んだマシンだった…と言った「日本の標準と異なる環境」であってもDMシステム2なら「豆腐」キャラを表示することなく動作するのです。

※外国のMSX2は128KBのRAMが標準で搭載されていますので、BASICで使用する以外の64KBを自由に使うことができます。ここを漢字フォントのバッファとして使用できるドライバを開発しましたので、海外のMSX2でも理論上では日本語表示が可能となっています。

(まぁ、ガイジンさんが日本語を読めて理解できるかという問題は残っていますが(笑)、何も表示されない「豆腐状態」よりは「もしかすると辞書を片手に読んでくれるかもしれない」という可能性を作ることができます)

 つまり、MSXのハードウェア構成がどうであれ、DMシステム2に対応したソフトであれば製作者の意図した漢字表示がどのハードウェアでも実現する、と言うことです。これは結構重要なことなのではないかと私達は考えます。

 ソフトベンダーTAKERUに登録されていた同人ソフトの中には「漢字ROMを使うからMSX2+以降」というソフトが多いです。これは「漢字BASICで漢字を表示させたい」又は「それしか技術的解決方法が無いから」と言う単純な理由であるケースがほとんどです。こんなつまらない理由でMSX2ユーザーをバッサリ切り捨てるのであれば、DMシステム2を利用してMSX2ユーザーからでも楽しめるソフトを製作していただきたいのです。

 同様に「PCMが使いたいからturboR専用」な場合でもDMシステム2はオススメです。PCM再生がMSX2から可能ですよん(笑)。

 勿論、現在MSX2ユーザーが少ないのは重々承知です。今回のウリにしても、漢字関連の周辺機器を全く持っていないMSX2ユーザーは結局何もできません。しかし我々が主張したいのは「もしかするとうちのMSX2でも大丈夫かもしれない」という「MSX2の可能性」をDMシステム2で追求して欲しい、ということです。

※しかし最近「似非RAMディスク」という技術によってMSXユーザー側で漢字ROM相当の周辺機器を自作できるチャンスが生まれ、漢字ROMの搭載されないMSX2を100%補完できるようになりました。
 確かにMSX2ユーザーは減少傾向にあります。が、しかし別の目的でMSX2を活用しようと考えているユーザーも現在沢山いらっしゃいます。フォントカートリッジなら持っているコレクター、改造が好きでRAMを128KB以上増設してしまったユーザー(笑)、海外のMSX2ユーザー…。

 MSX2に限らず、現在ではMSXユーザー自体が減少傾向にあります。MSXユーザーが減少すればMSXシーンが盛り下がってしまいます。ならば出来る限り多くのMSXマシンで自分の作ったソフトを動作させるべきです。「盛り下がり」を食い止める為にも、多くのMSXユーザーを取り込む努力をこれからのMSX系クリエイターの方々に求めたい…これがギガミックスの提案であります。

 そして、この野望はあの時切り捨ててしまったANKなMSXユーザーへの、唯一の思いやりなのです…。

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